現在リリカルなのはの二次創作と日記を掲載。そのうちオリジナルの恋愛物も書くかも……
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空の少年 05 The First
今回の話では神智学の話を分かりやすくするため、便宜的に奈須きのこ氏の世界観を織り交ぜて話を展開しています。

賛否両論でそれぞれ感じるところはあるとは思いますが、よろしければお付き合いください。





























うおー、すげー、飛んでる。

さっきからもう凄いわ。

ピンクとか金とか白とか。目の前の空を光が縦横無尽に駆け巡っている。

むしろ俺にはちょっと眩しい。

一昔前に流行ったポ○モンショック、正式名称『光過敏性発作』とか大丈夫なんだろうか。

後で気持ち悪くなったら病院行こう。

てゆーか、なのはもはやてもスカートじゃん。恥ずかしくないのか。あっ、白。あっちは水玉。

フェイトはもうそんなの関係ないね。スカートとかそんなレベルじゃなく、まず露出が激しい。

そもそもはやてって車椅子だろ?普通に足動いてるんだが。

そんなのお構いなしに空を飛び回り、手に持った棒から光線ぶっ放してる三人を見上げる。

それにしても、何であいつら俺が入ってきたこと気付かないんだ?通った感じから言うと、さっきの壁って多分認識阻害と人除けの結界だよな?

それを越えて進入したんだから、施術者は感知できなきゃいかんだろ。

そんなことを考えていると、なのはが今までとは違う太いビームを発射した。何とかバスターって叫んでたな。

で、フェイトがそれを避けて、はやては盾みたいなもの展開して弾く。

当然弾いたものは拡散する。広範囲に。

そして向かう先には俺も含まれている。

「うおっ?!」

咄嗟に体を投げ出して何とか回避する。

次に立ち上がると、上空でのドンパチは止んでいた。

今の悲鳴が聞こえたのだろう。三人とも俺を見下ろしている。

「あー……おはよう、なのは、フェイト、はやて」

とりあえず、朝の挨拶。間違っているかもしれんが、マナーは大事だよな。

「「「………お、おはよう」」」

そろって同じ言葉を返してきた。

返事と同様に、みんなして目をパチパチと瞬かせてこちらを見ている。

そんなよく分からない見つめ合いが1分ほど続いた。そして、





「いや、おかしいよね?! 何で黒煉君がここにいるの?!」

「はやて!! ちゃんと結界張ってあるよね?!」

「問題なく起動しとるで?! あ? でもなんやこれ? 15分くらい前に一瞬ノイズがはしっとる?!」

突然騒ぎ出すお嬢さん方。

「そんなことよりもどうするの?! 魔法使ってるの見られちゃったよ?!」

「なのは、魔法って言っちゃ駄目だよ!! 私たちが魔法使いだってばれちゃう!!」

「いや、フェイトちゃんも落ち着き!! 自分でも言うとるで!!」

更にテンパリだしたな。

ていうか魔法?こいつら魔法使えんの?魔術ではなく?

「まあ、とりあえず落ち着け」










隠し事は予想よりもよく分からんものになりそうだった。















魔法少女リリカルなのは 空の少年 05















「いらっしゃい、黒煉さん。どうぞ上がって」

「こんにちは、リンディさん。お邪魔します」

朝の衝撃からおおよそ6時間後、俺はハラオウン家に御呼ばれした。

桜台では当事者の三人が冷静になることが出来ず、また俺たちに個人的なハプニングが起ころうとも世界は回り続ける。

つまり学校があるのだ。

幸い今日は修了式。とりあえず学校行こう、半ドンだから話はそれからでいいだろ。

そう言い聞かせてその場は帰宅。

校長のためになるのかどうかきわどい話を聞き流して成績表もらって、春休み気をつけて、4月にまた会いましょう的な挨拶を済ませると三人娘に拉致された。

で、今に至る。

とりあえず、自分たちでは上手く説明できず、またリンディさんが偉いさんになるらしいので連れてきたようだ。

「一応この子達から事情は聞いたけれど」

そう言いながら、人数分のお茶を用意してくれる。

リビングに集まった面子は俺、三人娘、リンディさん、クロノ、エイミィさんの7人。アルフもいるがこの場合頭数に数えてもいいのか。

「今朝、桜台でなのはさんたちに会ったそうね」

「はい。なんかビームぶっ放しながら、パンツ丸出しで空飛び回ってました」

正直に見たままを答える。

「「パッ、パンツ?!」」

「え、パンツ?」

思い当たる節がある二人がスカートを抑えて顔を真っ赤にする。

残る一人は何のことか理解できていない。

「そういうものは見たとしても、黙っておくのが紳士だと思うわ」

あらあらと、笑いながら柔らかく注意するリンディさん。

「そうかもしれませんが、そんなものはおまけです。重要なのはビームと空を飛んでたことですから」

「そっ、それはあんまりだと思うの!!」

「そやで!うちらのパンツはおまけかいな!!」

うるさいな

「黙りなさい痴女」

「「痴女っ?!」」

「ねえ、なのは。痴女ってなに?」

俺の一言に黙り込む二人。だが言う通りにしたわけではなく、放たれた言葉にショックを受けてだろう。

そしてやっぱり残る一人は、言葉の意味すら知らない。幼いというか、真っ白だなこの娘は。

視線を横に向けるとパンツが話題に上ったためか、クロノも顔を真っ赤にしている。むっつりだな。後でエイミィさんと弄ろう。

「それで、落ち着いたかしら」

「あー、はい。かろうじて」

やっぱり分かるんだろう。

混乱しているのは、別になのはたちだけではない。俺自身もだ。

だからこそこうして阿呆なことを言って気を落ち着かせようとしている。

リンディさんの言葉でそのことに気付いた二人が途端にしゅんとする。

「うー、ごめんね黒煉君」

「うちら自分のことばっかで」

「気にするな。確かに失礼なことを言ってるんだから」

確かにひどいことを言ったな。むしろ謝罪するべきは俺だと思う。

「ねえ、はやて。痴女ってなに?」

ごめん、フェイト。俺が悪かったから、もうその話は終わりにしよう。

それを見て、リンディさんが微笑みながら手を叩く。

「それじゃあ、本題に入りましょう」




















その言葉とともに周囲の空気が変質するのが分かった。

それに思わず反応して腰が浮いたが、そこで押しとどまる。

「ふふ、黒煉さんは敏感ね。感度も良さそうだし」

そう言って妖しく微笑むリンディさんを見て背筋がぞくぞくした。

なんだろう、恐怖とは別だがやたらと圧迫感があり、こう……腰の辺りがむずむずする。

彼女は自らの指先に、俺には感知できない何かを纏わせながらにじり寄る。

俺の胸に左手を置き、右手は頬に触れてそのまま耳、唇、顎、喉、鎖骨と順に指を這わせていき、

空いていた俺の左手の平をくすぐるように撫でて最後に指を絡ませる。

顔も触れ合うほどに近づけられ、互いの吐いた息の熱さも感じられた。

ひどく喉が渇く。

「怖がらなくても大丈夫。ちゃんと教えてあげるから」

彼女は俺の瞳を覗き込みながら、薄いルージュに彩られた唇に蠱惑的な紅い舌を這わせる。

自分の鼓動を意識しながら、リンディさんの熱く潤んだ翡翠の瞳を見つめ返した。

そうして俺は、苦労して絞り出した声で言葉を紡ぐ。




















「なにぶってるんですか」

それとともに張り詰めた空気が霧散した。

「あら、ばれちゃった」

軽く舌を出して、リンディさんはお茶目に笑う。

「初めての人にはこうやって攻めるのも良いかしらと思って」

「普通でいいです」

「つまらなかった?」

「いえ、確かに、来るものはありましたが……」

演技をしているのは何となく分かった。ものすごく楽しそうだったから。

正直俺も喰われるかと思った。

何をとは言わない。

ここでは言ってはいけない。

周りに目を向けると取り残された5人が顔を真っ赤にしていた。

でも見方も様々だな。

なのはは顔を掌で抑えて俯いている。

フェイトは何がおきてるのか分からず、きょとんとした顔で見つめている。

はやても手で顔を覆っているが、指の間の開き方が大きいので丸見えだ。

クロノは顔を背けているが、ちらちらとこちらを見ている。

最後にエイミィさん。この人はガン見だ。むしろ近寄りすぎだ。

「それじゃあ、普通にいきましょうか」

こうして、俺の魔法講座入門編『ようこそ次元世界へ』が始まった。















 ◆◇◆◇◆◇◆















「世界は何も一つだけしかないなんてことはないの。

 地球では文化の発展が遅れていて観測できないだけで、それこそ世界は無数に存在する。

 それらの世界を総合した上位構造のことを私たちは次元世界と呼んでいるわ。

 ここ地球は我々の見方で言うと管理外世界といって、魔法文化が浸透してない故に極力干渉しないよう定められた世界なの。

 そして、地球では科学技術が発達したように私たちがもといた管理世界では魔法が発達して、それを基本の軸にして社会が回っている。

 基本的には管理外世界では魔法の使える人間はいないんだけれど、あなたはこれを越えたわ」

それと同時にまた世界が変質した。

「これは……結界……ですか?」

「ええ。ひとまず、今は魔力が外にもれないようにっていう簡単なものだけれど」

「はー」

頷きながら周囲を眺める。自分にははっきりと知覚は出来ないが、先ほどに比べて部屋が閉鎖的になったのがわかる。

「あなたは今朝これを越えてなのはさんたちと出会った。本来なら有り得ないこと。

 つまり、あなたにもこれと同じ力があるということの証明ね」

「これと同じ力」

「そう。魔法の力……」

そこまで聞いて、ふと疑問が浮かんだ。

「じゃあ、俺やなのは、はやても異世界人なんですか?」

「いや、さっき母さんも基本的と言っただろ。管理外世界においても、極稀に高い魔力資質を持って生まれてくる者もいるんだ」

その答えはクロノが説明してくれるらしい。

「魔力資質は親から子へと遺伝することがほとんどだから、こういった事例は突然変異と言っていいな。

 こういった者達も魔法に接する機会が皆無だから、その資質が目覚めることなく一生を終えるんだ。

 だがその中でも、例外的に魔法と関わり、その才能を開花させる者も存在する。

 それが、なのはとはやてだ」

「ふーん」

リンディさんの後ろに控えている二人に目を向ける。

なのはは恥ずかしそうに頭をかき、はやては凄いだろと言わんばかりに胸を張っている。

「科学の代わりに魔法が発達したといっても分かりにくいから、見てもらった方がいいわね」

リンディさんが手を掲げると突然中空にディスプレイが出現した。

「おおっ!!」

「ふふ、びっくりした?」

こちらの反応がお気に召したらしい。楽しそうに説明を続ける。

「これが私たちの生活している世界、ミッドチルダよ。

 さっき科学の代わりに魔法がって説明したけど、厳密に言えば魔法技術の一部門として科学技術も残っているわね。

 具体的に言うとどうかしらね、地球の乗り物は電気やガソリンをエネルギー源にして機関を動かすのに対して、

 ミッドでは魔力を動力源にしているの。」

「その例だと、ハードウェア部分に科学が残ってて、ソフトウェアが魔法って感じですか」

「ええ、その捉え方で間違っていないわ」

その言葉を聞きながら、映し出される映像に意識を向ける。

なんだか普通だ。

確かに、ちらほら見える小物は地球の科学で再現できるものではないだろう。

このディスプレイのように、画面の中では映像を出力しているパネルが宙に浮いている。むしろ、物によっては透けている。

おっ、今窓ガラスが一瞬で消えたよ。あっちのクーペはオープンカーだったはずなのに、いつの間にかルーフがついてる。

だが、海鳴の都市部とあまり変わった様子はない。

普通に駅があって、その前には商業ビルが立ち並んで、それを越えた先にはオフィス街か。

そこで生活している人たちも、別に俺たちと同じだ。特に奇抜な服装をしているわけではない。

でも、人種といっていいかどうか。これは種族の違いか?

基本は今述べたように俺たちと変わりないのだが、時々基本サイズが違う人がいる。

パーツだけ見れば確かに成人しているように見える。結構老けているし、肌の質感とかが年月を感じさせるのだ。

だが、問題は身長だ。多分130ぐらいしかない。

それを見て、やっぱり世界が違うんだなと実感する。

しかし、この魔法世界というのは―――

「こう、無機的でシステマチックというか。地球の魔術とは随分違いますね」

「そうかもしれないわね。詳しくは知らないけれど、物語を見る限りはもっと幻想的なものっていう印象だ…か…ら……」

そこで一度言葉が切れる。

「地球の魔術?」

「はい。外で気軽に魔法使いとか言ったらいけませんよ。魔術師どもが怒り狂います」

俺を除いた6人が固まる。

「え、ちょっと待って黒煉さん。地球にも魔法の概念があるの?」

「ありますよ。と言っても、現在残っているのは殆どが魔術ですが。俺の知識にある範囲では魔法は五種類しかありません」

リビングに沈黙が宿る。





「どういうことだエイミィ?! 地球には魔法文明はないんじゃなかったのか?!」

「いや、確かに無い筈だよ!! 私も1000年単位で歴史を遡って調べたんだもん!!」

「じゃあ、なのはやはやても魔法使えたの?」

「そんなことないよ!! 私ユーノ君に会って初めて魔法なんて知ったもん!!」

「そや、うちも夜天の書が目覚めるまで何も知らんかったで!!」

あれ? 何このカオス?

向こうにも魔法の存在があるんだから、割と簡単に受け入れられるかとも思ったんだが。

「あの、黒煉さん? 地球にも魔法の文化が存在するの?」

努めて冷静に対処しようとリンディさんがこちらを伺う。

「ですから、基本は魔術です」

「魔術と魔法は一緒じゃないの?」

「ええ。魔法と言うのは現状どれだけ金、技術、時間を掛けても実現できない、正に奇跡を起こすものです。

 対して魔術は、現在の科学を持って代理の効く現象を魔力でもって引き起こすものです」

「えーっと?」

む、わかりにくいか。

「たとえば、魔力を使って火をつけます。別にライターを使えばいいんです。むしろ魔力を使うほうが面倒ですね。

 では、魔力で死者を生き返らせます。それは、どんなことをしても通常実現させることは出来ません。奇跡が起きなければ。

 前者が魔術、後者が魔法と言えます」

「成る程。それで言うと科学が発達するにつれて魔法の領域がどんどん狭くなっていくように聞こえるけれど」

「その通りです。かつては火を熾すことも人間には不可能でした。それはまさしく魔法だったんです。

 ですが、人がそのための方法を発明したら、その瞬間魔法は魔術へと成り下がるんです。」

「黒煉さんは使えるの?」

「わずかですけどね。出力するための魔術回路が俺には殆どありませんから」

「でも随分と身近そうだな」

鋭いなクロノ。

「俺自身は使わないが、魔術を使って悪さする相手とやり合うこともあるにはある。

 昨日リンディさんたちに話したときにちょっと触れたが、そもそも皇はそういう一族だ」

「そういえばなにか言ってたね。確か、退魔がどうとか……」

昨日の話を思い出しながら、フェイトが頷く。

「実際にやってみようか。リンディさん此間持ってきた皿って何処にあります?」

「キッチンの食器棚の上に」

それを聞いてソファから立ち上がり、台所へと向かう。

あった、これだ。

戸を開けるまでもなく、ガラス戸を透して目的のものを見つけた。

他人の家の棚を開けるのには少し抵抗があるが、まあ普段から手伝っているし勘弁してもらおう。

皿を持ってリビングへ戻ると、先程までとは違って全員でテーブルを囲むように座っている。

一人分空いた空間が俺の場所だろうと当たりをつけて、そこに滑り込む。

「じゃあ、始めましょう」

指先に力を込めて、一息に皿を割る。

極力破片が飛び散らないようにしたが、多少は仕方ない。

「うわー、もったいない」

主婦業が身に付いてるはやてにとって、重要なのはそこか。

そんな反応に苦笑しながら、右手の親指の腹を軽く噛んで血を滲ませ、割れ口にこすり付ける。

「―――Anfang―――」

唱えた途端にリンディさんとクロノの目付きが鋭くなった。

しかし、それを無視して続ける。集中しないとしっぺ返しが怖いからな。

「―――Minuten vor schweisen―――」

その言葉とともに付着した血が淡く輝きだし、時間を巻き戻すかのように割れたはずの皿が元の形を取り戻す。

「「「おおー!!」」」

三人娘が驚きの声を上げるが、残りの年長組の表情は険しくなる一方だ。

「どう、クロノ?」

「駄目です。発動のプロセスが全く理解できません」

「私もよ。エイミィ、記録は取れた?」

「こちらも無理でした。試みはしたんですが、ミッド式とベルカ式との差なんてレベルじゃありません。

 全く別の理論体系の下で発動しているらしく、魔力が使われたことしかわかりませんね。

 そもそも、厳密な観測対象の指定が出来ませんから、初見での記録は無理だったと思います」

「そう……」

なんか難しい話をしだした。

「俺なんかまずいことしましたか」

眉間に皺を寄せたリンディさんに問いかける。

「ああ、ごめんなさい。同じ魔力を使うにしても、こうも違う手法を目の当たりにするとやっぱり警戒しちゃうのよ」

まあ、確かにそうかもしれない。

唯一と考えられていた理論がいきなり別の手段で行われたのだ。

確実だと思われていた、今自分の足を支える大地の頑強さが信じられなくなることは無理もない。だが、

「そう心配することもありませんよ。別に敵対することなんてないでしょうから」

「? どうしてそう言い切れるの?」

「魔術師には目的があるんですよ。基本的に彼らはそれに向かって突き進みます。他のことには目もくれずに」

「目的というと……」

「アカシャクロニクルという概念があるんです。

 宇宙や人類の過去から未来までの歴史全てがデータバンクとして記されている記録が存在すると考えられています。

 アカシャっていうのはサンスクリット語で虚空とか空間を意味しますから、訳すと世界の記録といったところでしょうか。

 厳密に言えば、この言葉が出来たのは170年ほど前と最近ですが、考え方自体はもっと昔からあります。

 そうですね、プラトンやウパニシャッド哲学にも見られるので大体2500年ぐらい前から考察されてきた概念ですね。

 神智学やチャネリングで目覚めた人は、この記録から自由に過去や未来の情報を引き出すことが出来るようになり、

 自己の人生の意義や存在の理由がわかると言われています。

 そして、そのデータバンクの座標。世界の外側にあるとされ、次元論の頂点にあるという力。

 それが根源の渦です」

そこまで言い終えて、周りを見ると皆唖然としている。

いや、言っていることが殆ど理解できないのだろう。

唖然というよりも、なんだろう。ぽかーんと言った方が正しい気がする。

リンディさんとクロノは頭を抱え始めた。

エイミィさんは早々に考えることを放棄したようだ。

三人娘はあまり興味がないのだろう。へー凄いねーとか、よく分からないながら適当に頷いている。

「それで、魔術師は根源の渦に辿り着くことを至高の命題としており、そのために魔術を学ぶんです。

 辿り着いたものは、世界の真理を知ることにもなりますから、副次的に奇跡を、つまり魔法を使うことが出来るようになる。

 魔術師は基本的にそのための研究しかしません。

 むしろ、他人に魔術を見せることは自身の研究成果を暴露することと同じですから敬遠します。

 だから、そう神経を使うことはありません。普通に生活していれば、出くわすこと自体ありません」

「危険は無いと考えていいのね?」

「はい。まず間違いなく」

それを聞いて、ようやく二人の体から緊張が抜けていくのが感じられた。

「不安になるのは仕方ありません。なんでしたら、今度神智学の本でも紹介しましょう。この概念も多少は理解できると思います」

「そうね。お願いしようかしら」

「わかりました。ひとまず、俺の話はこんなところですね」

「ごめんなさい。本当はこちらのことを説明しなきゃいけないのに。

 切りのいいところだし、そろそろ行きましょうか」

突然リンディさんが立ち上がる。

「行くって何処に」

「私たちの職場ね。そこなら黒煉さんの魔力資質についてちゃんと調べることが出来るから。

 それになのはさんもフェイトも今日は任務があるでしょう」

「にゃっ、いけない、今何時?」

「もう準備しないと」

「今日は診察あるから、うちももうお暇します」

そんな感じでどたばたしながら、俺の初めてのミッドチルダ行きが決まった。
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